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技術紹介−ソイルバンパー(落石対策)

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既設無筋コンクリート製落石防護擁壁の耐衝撃性能を1,000kJ級に向上

国土交通省「NETIS」登録 No.HK-160017-A

 災害要因に対して衝撃耐力が不足している既設落石防護擁壁への作用衝撃力を効率的に緩和させる緩衝システムです。緩衝システムは『ソイルセメント+ジオグリッド+発泡スチロールブロック(EPS ブロック)』という一般的な材料から構成されており、既設擁壁背面(落石衝突面)に設置することで対象エネルギーが200kJ 程度である既設落石防護擁壁の耐力を1,000kJ まで向上させることが可能です。また、1,000kJ のエネルギーを作用させた際の安定性も確認しています。〈実規模実験および三次元衝撃応答解析により性能を確認〉
実験状況
概念図
従来工法と提案工法の概略図

通常の落石防護擁壁は、落石衝突時の運動エネルギーと擁壁基礎地盤の弾性応答エネルギーが等価となるように設計されています。そのため、ほとんどの落石防護擁壁は直接基礎で無筋コンクリート製の重力式擁壁であるのが現状です。

しかしながら、実際には落石による衝突衝撃荷重が作用するため、コンクリートがせん断破壊した事例が数多く報告されています。仮に補強鉄筋を配置する場合でも、せん断ひび割れの発生は避けられません。

また、近年の異常気象(ゲリラ豪雨など)や対象斜面の経年変化、調査手法の高度化によって、設計当初には想定されなかった新たな災害要因が確認されはじめてきています。

このような背景から、既設落石防護擁壁の安全性や耐衝撃性の向上を目的に、ソイルセメントを用いた安価かつ効果的な補強工法を開発しました。

 この技術は、国土交通省建設技術研究開発助成制度における政策課題解決型技術開発(中小企業タイプ)の援助を受け、室蘭工業大学および釧路工業高等専門学校との共同研究により実現しました。また、名古屋工業大学および土木研究所寒地土木研究所による技術的アドバイスもいただいております。

ソイルバンパーはこんな場面で有効活用が出来ます。
既設擁壁が設置されているが、その耐荷力よりも落石エネルギーが大きい場合(1,000kJ 以下)
斜面法尻から現道までのスペース(クリアランス)が比較的広い箇所
 
新技術
従来技術
名 称
ソイルバンパー
落石防護補強土壁
高エネルギー吸収型
落石防護柵(フェンス型)
概略図
概略図 新技術
概略図 従来技術1
概略図 従来技術2
現場条件
・既設擁壁が設置されている箇所で、クリアランスが比較的広い箇所(本工法が設置可能な程度)
・落石エネルギー1,000kJ(落石径2.0m)以下
復旧性
(落石により破損した場合)
破損したソイルセメントは再度セメントにより固化可能。EPSは取替が必要。ただし、軽量で人力施工が可能。
鋼製壁面材の取替が必要。土砂材料は再利用可能。補修時は取り壊し端部を垂直に出来ないため復旧範囲が広く必要。
支柱・ネット・緩衝装置の交換が必要。また支柱交換時には大口径ボーリング等の削孔も必要。
既存ストック
有効活用
既設擁壁を有効活用。現地発生土の利用も可能。
補強土壁に現地発生土が利用可能な場合あり。
既設擁壁、現地発生土の有効活用ができない。
ポケット容量
既設擁壁に接してソイルバンパーを設置するため、ポケット容量が大きい。
底面幅が大きく、既設擁壁との離隔を0.5m 程度確保して落石防護補強土壁を設置するためポケット容量が小さい。
設置幅は小さいが、既設擁壁との離隔を3m 程度確保することが必要。高エネルギー吸収型落石防護柵を設置する必要があるため、ポケット容量が小さい。
経済性
(210 千円/m)
既設擁壁を有効活用するため、経済性に優れる。
(270 千円/m)
既設擁壁がなく、クリアランスが確保可能な場合には経済性に優れる。
(450 千円/m)
既設擁壁がなく、落石防護補強土壁が設置できない場合には経済性に優れる。
対応エネルギー
最大1,000kJ
最大4,000kJ 程度
最大1,000kJ 程度
施工実績
H23〜25 年度に開発しているため、施工実績はなし。
施工実績は豊富。
施工実績は豊富。
備 考
他工法に比較してポケット容量を大きく確保することが可能。材料入手が容易。特殊機械や特殊技能が不要。
クリアランスが4m 程度以上、かつ、既設擁壁等がなく新規に防護工を計画する場合に有効。
クリアランスが3m 程度以上、かつ、既設擁壁等がなく新規に防護工を計画する場合に有効。
評 価
ソイルバンパーとは?
ソイルセメントとジオグリッドとEPS から構成される落石防護擁壁用緩衝システムです。
落石衝突部近傍の局部的なコンクリートの剥離・剥落・押し抜きせん断破壊を防止します。
緩衝システムは最大1,000kJ の落石エネルギーに対応します。
既存の落石防護擁壁工に対して、斜面の経年変化とともに生じる落石規模の変化に追随し、補強工法としての採用が可能となります。
ソイルセメントは現地発生土の利用が可能であり、環境に及ぼす影響を低減できます。
いずれの材料も入手しやすく、施工についても特殊技能は必要ありません。
ウレタン被覆により積雪寒冷地にも適用可能。

 

ソイルバンパー 紹介動画

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